防衛力強化巡り首相と知事隔たり

06/23/2023

　太平洋戦争末期の沖縄戦で組織的戦闘が終結してから78年となった「慰霊の日」の23日、沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が開かれた。あいさつで防衛力強化に理解を求めた岸田文雄首相に対し、玉城デニー知事は平和宣言で、軍事的緊張を高めるとの懸念を示すとともに、アジア太平洋地域での平和構築に向け「県独自の地域外交を展開する」と述べた。

　宣言で玉城氏は、非暴力や対話の必要性を強調。式典後、7月初旬に中国を訪れる予定だと明らかにした。訪中について「あくまで交流」とした上で「緊張の高まりを不安視するより、互恵関係を続けていきたいと伝える」と話した。

　玉城氏によると、岸田氏と式典前に面談し、地域外交を進めて行く方針を説明。「沖縄の良さを発信していくという意味においては、非常にいいのではないか」との返答があったという。

　岸田氏は式典で「わが国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑な状況にある」と訴えた。