気象災害、東南アジアに警戒網

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共同通信
大雨で冠水したタイ南部サムイ島の道路。温暖化により世界各地で気象災害リスクへの対応が求められている=2019年1月(共同)

 環境省が、衛星データの活用などで気象災害軽減を図る「早期警戒システム」の構築をアジア太平洋地域で支援し、2025年に東南アジア諸国連合(ASEAN)の過半数の国への導入を目指すことが25日、分かった。地球温暖化で豪雨や熱波といった異常気象のリスクが深刻になる中、対応力が弱い発展途上国の被害を減らす。

 日本企業による事業展開を想定し、気象予報サービスや損害保険を含む約50社が参加する官民連携の協議会を設立。現地ニーズ調査やビジネスモデルづくりを進める。

 早期警戒システムは、衛星などを活用して気象災害の危険性を事前に知らせ、地域住民の安全確保や産業の損害軽減につなげる。温暖化の進行で役割が高まっており、国連のグテレス事務総長は昨年、「世界の3分の1の人はいまだ利用できない」と述べ、5年以内に全世界に展開すべきだとした。

 協議会はウェザーニューズ(千葉市)や大手損保、水位観測機器を扱う企業などが参加。気象庁、国際協力機構(JICA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がオブザーバーに加わる。