Published by
共同通信
共同通信
【北京共同】中国で7月1日、スパイ行為の取り締まり強化に向けた改正「反スパイ法」が施行される。共産党の一党支配体制を堅持するため、中国での情報収集を巡り日本人を含む外国人や外資系企業を徹底して監視する。習近平国家主席が重視する「国家安全を守る」ことを理由とした摘発や拘束がこれまで以上に相次ぎそうだ。恣意的な運用が懸念されている。
北京では3月に邦人男性が同法違反容疑で拘束されており、中国在住の日本人や日系企業も警戒。中国は新型コロナウイルス流行で低迷した経済を再建するため海外から投資を呼び込むとしているが、外資系企業は中国事業に慎重になっている。「脱中国」が加速する要因ともなりそうだ。
反スパイ法は2014年に施行され今回が初改正。今年4月26日に全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会の会議で改正案が可決された。
改正によってスパイ行為の定義を拡大し、従来の「国家機密」に加え「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料、物品」の提供や窃取も取り締まりの対象とした。