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共同通信
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夢だった自衛隊に入隊して3年、退職を強いられ、被害を訴え続けて1年、五ノ井里奈さん(23)が福島地裁203号法廷で、強制わいせつ罪で起訴された3人と対峙した。検察官に現在の心境を問われ「生きる希望がない」と答えた後、間を置き、言葉を選びながらこう話した。「事実を認め、反省してもらうため、命を削ってでも今、闘っています」
午後1時前に裁判所に入る際、一瞬、空を見上げるようなしぐさを見せた。午後1時半、開廷。黒いスーツを着た五ノ井さんは、以前は下ろすことが多かった前髪を左右に分けていた。事前の取材にその意味を「決意の表れ」と話していた。
証人尋問の際は、真っすぐ前を向き、質問に答えた。時折、声が震え、涙をこらえるような様子もあった。だが休憩を勧められた時には「大丈夫です」と気丈に返した。
被告3人は黒や紺のスーツ姿。罪状認否で、渋谷修太郎被告(30)は時折、黙り込みながら「覆いかぶさっていません。腰を振ったのは事実ですが、笑いを取るためにやりました」と主張した。