ウクライナ戦死者の国立墓地を

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共同通信

 【キーウ共同】ウクライナの首都キーウ(キエフ)の独立広場で6月30日、ロシア軍との戦闘で命を落とした兵士の遺族ら約50人が集会を開き、戦死者の国立墓地を早急に造るよう求めた。国立墓地はキーウ東部で4月20日に建設手続きが始まったが、完成が遅れている。

 「自分の子の骨つぼをベッド脇に置いておくのは非常につらい試練なのよ」。ネリャ・シャストゥンさん(52)は長男イーゴリさんの遺影を示して人々に語りかけた。

 イーゴリさんは南東部マリウポリで「アゾフ連隊」の戦闘員だったが、昨年4月に29歳で戦死。ネリャさんは8月、ロシア側との交換で遺体を引き取り、避難先のキーウ郊外で火葬した。骨つぼと一緒の生活に耐えられず、地区長に頼んで墓地に一時保管してもらったが、保管期限が迫っているという。

 タチヤナ・ジェイさん(56)は「息子を失い、嘆き悲しむのに疲れ果てたがもう泣かない」と言い切った。名高い副司令官でさえ貧相な墓地に埋葬され「屈辱的だった」と憤慨。英雄としての埋葬を「懇願ではなく要求する」と訴えた。