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共同通信
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政府が少子化対策の柱に据える児童手当拡充と、検討中の税制見直しを併せて実施した場合、家計の増収は高所得世帯に偏る見込みであることが1日、民間研究所の試算で分かった。子ども1人で親の年収が300万円だと、生まれてから高校卒業まで通算の増収が約20万円にとどまる一方、年収900万円は100万円超の増収となった。
児童手当には、高所得世帯を不支給や減額とする所得制限が設けられてきた。これを撤廃する影響が大きい。経済界には制限撤廃への反発が根強い。1兆円超を投じる児童手当拡充が、子育て費用の負担感から出産をためらう人の不安解消につながるかどうか、政策の実効性が問われそうだ。
第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストが試算した。児童手当拡充に加え、16~18歳がいる世帯の住民・所得税の負担を軽減する扶養控除が廃止になったと仮定。会社員の共働き世帯を想定した上で、夫婦間でより多い方の親の年収を基準とし、子1人が生まれてから高卒まで通算の家計への影響を出した。