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共同通信
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共同通信は学生数1万人以上の全国65大学を対象にカルト宗教対策の現状を尋ねるアンケートを2日までに実施し、回答校の56%に当たる28校が、昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件後、学生に注意喚起するなど「対策を強化した」と答えた。一方、学生勧誘が交流サイト(SNS)上で行われるなどして実態把握が困難とした大学も38校に達し、対応の難しさが浮き彫りになった。
8日で発生1年となる事件を契機に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をカルトと捉える見方が強まり、カルト宗教の実態に社会の注目が集まるようになった。識者からは大学が信者獲得の主要な場の一つとなり、被害防止の取り組みが必要との指摘も出ている。
アンケートは今年6月に実施。正体を隠して活動するカルト宗教と関連団体への対応状況を尋ね、50校が回答した。対策を強化したと答えたのは28校で、具体的な対応を複数回答で尋ねると、最も多かったのが「掲示物の張り出し」で16校。「注意喚起のパンフレット配布」14校、「学生向け対策講義の実施」12校と続いた。