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共同通信
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【キーウ共同】ロシアの侵攻に怒りを表すウクライナの柔道選手がいる。2021年の東京五輪女子48キロ級で銅メダルを獲得したダリア・ビロディド選手(22)。空襲警報が鳴り響くキーウ(キエフ)で稽古に励んでいる。24年パリ五輪はロシアの出場が認められればウクライナがボイコットする可能性もある。それでも柔道ができる喜びをかみしめながら、目標の金メダルを目指す。
6月8日、キーウ市内の道場には受け身を取る時の畳をたたく音が響いた。ビロディド選手は青色の柔道着姿。男子選手を相手に切れのある技を次々と繰り出していく。
昨年2月24日に生活は一変した。侵攻当日にコーチも務める母親らとウクライナ西部に逃れ、その後スペイン・バレンシアに移った。心の支えは柔道だった。現地の強豪チームと稽古し「落ち込んだ気持ちを紛らわせた」
ビロディド選手はロシアを「テロリスト国家」と非難し「ウクライナ国民を殺害し、すべての建物を破壊している」と憤る。それでも6月に帰国した。
現在は階級を二つ上げて57キロ級に挑む。