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共同通信
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森林を開発する再生可能エネルギー事業者から独自に税を徴収する全国初の宮城県条例が4日、県議会で全会一致で可決、成立した。森林開発に税の負担を課すことで、再エネ事業を平地などへ誘導し、森林保全を図る狙い。使い道を特定しない「法定外普通税」とする方針。県は今後速やかに総務相と協議入りし、同意が得られれば来年4月までの導入を目指す。
国が再エネを推進し、全国各地で太陽光や風力発電の建設計画が相次ぐ中、環境破壊や景観悪化の懸念から住民の反発が強まっている。新税が森林開発の抑止に効果を発揮するかどうか注目される。
村井嘉浩知事は可決後、報道陣の取材に「全会一致で大変喜んでいる。直ちに総務相との協議を始めたい」と話した。
課税対象の再エネ事業は太陽光と風力、バイオマス発電の三つで、水力と地熱発電は対象外。徴収額は営業利益の2割相当とし、エネルギー種別ごとに異なる税率を適用する。例えば太陽光は出力1キロワット当たり最低620円、風力は同2470円とし、固定価格買い取り制度の売電価格に応じて設定する。