降伏の姿勢見せず発砲か、岐阜

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共同通信

 岐阜市の陸上自衛隊射撃場で隊員3人が自動小銃で撃たれ死傷した事件で、菊松安親1等陸曹(52)=陸曹長に特別昇任=への殺人容疑で再逮捕された自衛官候補生の男(18)が事件直後「『動くな』と言ったのに(菊松さんらが)伏せたり手を上げたりしなかったから撃った」と説明していたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。降伏の姿勢を見せなかったため発砲したという趣旨とみられる。

 男が弾薬を奪おうとしていたとみられることが既に分かっており、阻止されると心配し「弾薬係」だった菊松さんを狙った疑いがある。陸自の警務隊は弾薬を奪おうとした目的を調べている。

 事件は6月14日午前に陸自日野基本射撃場で起きた。捜査関係者によると、男は射撃訓練が始まった直後の待機中に弾倉を銃に装填し「動くな」と絶叫。制止しようとした八代航佑3曹(25)=2曹に特別昇任=に向け発砲した後、菊松1曹と原悠介3曹(25)を次々に銃撃した。八代さんと菊松さんは搬送先の病院で死亡し、原3曹は左脚に大けがを負った。