NY市、猛暑対策不十分
グリーンインフラ拡充も
猛暑の季節が始まり、ニューヨーク市では今年の最高気温の記録を更新中だ。この夏は例年より暑くなると予想されている。例年ですら死者が出る暑さ対策は十分なのか。
「市の猛暑対策は切迫感に欠ける」と批判的なのは非営利団体「ニューヨーク市エンバイロメンタル・ジャスティス・アライアンス」のエディー・バウティスタ会長だ。市では冷房の効いた「クーリング・センター」を開設。水飲み場やプールなどの施設の地図を配布している。バウティスタ氏は「これでは不十分」と断じる。特に街路樹が少ないビルの谷間に住む低所得者層、黒人やヒスパニック系市民への影響が懸念されている。熱中症など高温が原因で死亡する黒人の数は白人の2倍というデータもある。
2020年には市議会が本格的な猛暑対策を講じることを市に求める法案を可決している。その後市の対応が改善したかは不明。クーリング・センターが白人住民の多く住む地域に偏在するとの指摘もある。法案は市の30%を街路樹による「グリーン・キャノピー」で覆うなど、グリーンインフラを拡充することを盛り込んでいる。
バウティスタ氏は「市が場当たり的ではなく、構造的な猛暑対策を実行するよう、見守っていきたい」と話している。アダムズ市長の広報官は、コメントの求めに応じていない。(5日、ゴッサミスト)
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