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共同通信
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【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援で、米国が殺傷能力の高いクラスター(集束)弾の供与を決めたことについて、英国やスペインなど北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部は8日、使用や供与自体に反対する立場を表明し、米欧の軍事同盟内の温度差が浮き彫りになった。
民間人を無差別に殺傷する危険があるクラスター弾はオスロ条約で使用や生産が禁止され、110を超える国が参加しているが、米国やロシア、ウクライナは加盟していない。
ウクライナのレズニコフ国防相はツイッターで「都市地域では使用しない。ロシア軍が集中した戦場で、敵の防衛線を破るために使う」と表明し、理解を求めた。
英国のスナク首相は自国が同条約に「加盟している」と発言。米国の批判は避けながら、クラスター弾の使用に反対する立場をにじませた。イタリアのメローニ首相も声明で「イタリアは条約を順守している。条約の普遍的な適用を望む」と強調した。
スペイン通信によると、同国のロブレス国防相は「この爆弾ではウクライナの正当防衛は実現できない」と供与に反対する考えを示した。