札幌の頭部持ち去り、深まる謎

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共同通信
男性の遺体が見つかったホテル=3日、札幌市中央区

 札幌市の繁華街ススキノのホテルで首が切断された男性の遺体が見つかった事件から9日で1週間となる。札幌・中央署捜査本部は、男性と一緒に入室し、1人で退出した人物の行方を追うが、手がかりは少ない。現場に頭部は残されておらず、同行者が持ち去った可能性がある。狙いや足取り、2人の関係性は―。謎は深まるばかりだ。

 発覚は2日午後3時ごろ。チェックアウトの午前11時を過ぎても出て来ないことを不審に思った従業員が2階にある客室の浴室で遺体を発見した。遺体は指紋から恵庭市の会社員浦仁志さん(62)と判明した。

 捜査本部は周辺の防犯カメラ映像を解析。重要な鍵を握るとみて同行者を探すが、タクシーや車に乗り込む姿は確認されていない。徒歩で移動した可能性があるが、捜査幹部は「猟奇的で計画的。証拠はとぼしい」と認め、長期化も覚悟する。

 なぜ頭部を持ち去る必要があったのか。東京未来大の出口保行教授(犯罪心理学)は「捜査のかく乱を狙うとともに、愛憎など何かしらの強い感情を示したかったのではないか」と分析する。