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共同通信
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【ジェニン共同】パレスチナ自治政府のアッバス議長は12日、イスラエルの軍事作戦で大きな被害のあったヨルダン川西岸北部のジェニン難民キャンプを訪問した。市民の前に直接姿を見せるのは異例。ジェニンでは軍事作戦に無力だった自治政府への不満が噴出しており、批判を和らげ、求心力維持を図る狙いがある。
アッバス氏は集まった多数の市民に囲まれながら演説し「ジェニンは(イスラエルの占領に対する)抵抗運動の象徴だ」と強調、「キャンプを今よりももっと良くする」と述べ、再建を誓った。
イスラエル軍は3~5日の作戦で、キャンプの武装勢力と市街戦を展開。パレスチナ人12人を殺害し、多数の武器を押収した。建物数百棟が壊されたほか、道路も徹底的に破壊され、再建が課題になっている。
パレスチナでは、自治政府議長選が2005年以降実施されておらず、アッバス氏の正当性を問う声が広がる。87歳という高齢のため辞任を求める意見も根強く、求心力の低下が武装勢力の拡大につながったと指摘される。