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共同通信
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新型コロナウイルス感染者が立ち寄ったとして徳島県が店舗名を公表したことで名誉を傷つけられたとして、同県藍住町のラーメン店「王王軒本店」の経営会社が県に550万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が13日、高松高裁であった。浜口浩裁判長は、請求を棄却した一審徳島地裁判決(今年1月)を支持し、王王軒本店側の控訴を棄却した。店名公表の必要性が高かったと指摘し、県の措置を適法と判断した。
感染者は2020年7月26日午後5時半ごろから約20分間、友人らと王王軒本店で食事した。従業員に加え、複数の客が居合わせていた。県は同31日、店名を公表した。
原告側は、従業員らの感染やクラスター(感染者集団)発生も確認されず、公表には必要性や緊急性がなかったと主張。「王王軒に行けば感染する」と中傷され売り上げが減ったと訴えていた。
一審判決は、不特定の客らに感染が拡大する危険性が疑われ、注意を喚起するため公表の必要性は高かったと指摘。当時は感染の急拡大が懸念される状況にあり、緊急性もあったと判断した。