連載1042 NYも東京も株価上昇が止まらない。
しかし、もうパーティを切り上げるときでは? (中2)
(この記事の初出は2023年6月20日)
株価下落はどんなとき?過去に学べるか?
株価はどんなときに下落するのか?「高所恐怖症」になった投資家がするのが、過去に学ぶことである。そこで、21世紀になってからの株価(日経平均)の推移を列記しておきたい。
[2001年 同時多発テロ]
2001年9月に発生した同時多発テロの翌日から、日経平均は急落した。1984年以来、17年ぶりの1万円割れとなった。
[2003年 不良債権問題で8000円割れ]
2003年4月に、バブル崩壊後の最安値7607円を記録。しかし、6月に、りそな銀行への公的資金投入が発表されると急回復した。
[2007年末 サブプライム・ショック]
2003年以来、上昇基調にあった日経平均は、米国でサブプライムローン問題が顕在化すると、2007年末から2008年にかけて暴落した。
[2008年 リーマン・ショック]
サブプライム・ショックによる暴落から、やや持ち直していた2008年9月、リーマン・ブラザーズが経営破綻し、金融危機が発生。日経平均株価は再び暴落に転じた。
[2009年 バブル崩壊後の最安値を更新]
リーマン・ショックにより、2009年3月に、バブル崩壊後の最安値を更新し、7054円を記録。
[2012年 アベノミクス相場]
第二次安倍内閣が掲げた成長戦略「三本の矢」への期待から、日経平均は底を打って上昇した。
[2015年 チャイナ・ショック]
2015年4月、15年ぶりに日経平均は2万円台を回復。しかし、8月に中国の景気後退懸念(チャイナ・ショック)から急落した。
[2016年 トランプ米大統領誕生]
6月に、英国がEU離脱すると、株化は急落。しかし、その後緩やかに回復し、11月に、米国大統領選挙でトランプが当選すると上昇基調が強待った。
[2018年 米中貿易摩擦で下落]
この年、1991年以来27年ぶりに最高値を更新し、2万4270円を記録。しかし、米中貿易摩擦が顕在化すると、下げに転じた。
[2020年、コロナショック]
2020年2月後半、新型コロナウィルスが世界中へ感染拡大したことをきっかけに、世界的に株価は暴落。日経平均は1月17日に、リーマン・ショック後の最高値に迫る2万4115円をつけたが、その後、じょじょに下げ2月初旬~中旬にかけて戻したが、2月末に暴落した。以後、3月19日に1万6358円の底値をつけた。
このような経緯からわかるのは、単純な話、株価はなにか大きなイベントが起こると下落するということだ。ただ、今後、どんなイベントが待っているのか。それは誰にもわからない。
(つづく)
この続きは7月17日(月)発行の本紙(メルマガ・アプリ・ウェブサイト)に掲載します。
※本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。
山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。