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共同通信
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日常的に人工呼吸器やたんの吸引などが必要な「医療的ケア児」に関し、こども家庭庁が災害時の留意点をまとめた避難マニュアル策定に乗り出す。医療機器の使用に欠かせない電源の確保や、医療従事者との連携など平時からの備えを促し、行政や保育現場での避難計画作りの指針にしてもらう。15日、関係者が明らかにした。2023年度末の完成を目指す。
厚生労働省によると、ケア児は全国に約2万人いると推計される。新生児集中治療室(NICU)などに長期入院後、主に自宅で保護者の世話を受けながら暮らす。
災害時の移動には時間がかかる上、18年の北海道地震では全域停電「ブラックアウト」が発生。人工呼吸器やたんの吸引など、生命維持に必要な機器の電源確保が課題とされた。
21年施行のケア児支援法は付則で、災害対応について「必要な措置を講じる」と規定。改正災害対策基本法では、自力で避難できないケア児や高齢者らの「個別避難計画」作成が市区町村の努力義務となった。
マニュアル策定に際し、先進自治体の取り組みも参考にする。