Published by
共同通信
共同通信
ウクライナ南部オデッサ州に住む、サーシャ・パスカルさん(7)の将来の夢は3歳から続けている新体操で、国際大会に出場し金メダルを取ることだ。ロシア軍の砲撃で片足を失った今も変わっていない。リハビリを終えて練習を再開したサーシャさんは、義足の左足を顔まで上げ、愛嬌たっぷりに笑った。
昨年5月、オデッサ州南西部ビルホロドドニストロフスキーの自宅近くに、ロシア軍が砲弾を撃ち込んだ。サーシャさんはがれきの下敷きになり、救出されたものの、腕を骨折し、左脚の太ももより先を失った。
集中治療室(ICU)で2週間過ごした後、オーストリアで義足を装着して、リハビリに臨んだ。今年3月にオデッサ州に戻り、すぐに練習を再開。6月には大会にも出場した。得意種目はリボン。自国のビクトリア・オノプリエンコ選手が今の目標だ。
戦争や自身のけがによる心理的な影響は小さくない。足が痛いと泣くこともある。だが、サーシャさんは最後に言った。「戦争には必ず勝つ」。