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共同通信
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中国の習近平国家主席が2020年12月に開かれた軍幹部の非公開会議で、西側先進国は必然的な衰退局面に入ったとの認識を示し、台頭する中国と米欧との摩擦による「戦争の危機」に備えるよう指示したことが24日、昨年発行の軍の内部文献で分かった。「局部的な戦乱が常態化し、混乱が広範囲に及ぶ可能性も排除できない」と強調。軍や共産党幹部は習氏の強硬方針を学習し続けている。対米関係の修復を図る一方で軍事衝突も想定した高い警戒態勢を維持していることが明らかになった。
習氏は近年、最悪の事態に主体的に備える「極限思考」という概念を打ち出している。ウクライナに侵攻したロシアとの緊密な連携や、台湾への軍事圧力は、国際秩序の動揺に乗じて米欧の影響力を排除し、自国に有利な安全保障環境をつくろうとする習氏の戦略が背景にありそうだ。
文献は昨年6月に発行され、習氏の思想や方針を軍や党幹部に徹底するための教材に使われている。発言があったのは20年12月21日に開かれた軍の最高指導機関、中央軍事委員会の拡大会議。