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共同通信
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大阪府が収集した大量の美術品を、6年以上も庁舎内の地下駐車場に置いていることが25日、府への取材で分かった。彫刻を中心に計105点で、評価額は計約2億2千万円に上る。誰でも出入りできる場所で保管環境も悪く、盗難や作品の劣化の恐れがある。府は「検討を重ねたが他に適切な場所がなかった。現時点での最善策だ」と説明している。
美術品を置いているのは府咲洲庁舎の地下3階にある駐車場の一角。ブルーシートや緩衝材に覆われた作品が、ベニヤ板などの上に雑然と置かれている。府文化課によると、雨風はしのげるが、湿度管理はできていない。過去には周囲の配管からの水漏れもあった。
府は1989年以降、当時新設を計画していた美術館用に「大阪府20世紀美術コレクション」として7885点を購入。2001年の計画撤回後は、民間倉庫で保管していた。
絵画など軽量の作品は12年開館の府施設に収蔵された一方、彫刻など大型の作品は入りきらず、15年に咲洲庁舎の事務室に移動。事務室の民間への貸し出しが決まり、17年に駐車場に移した。