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共同通信
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北海道・知床半島沖の観光船「KAZU 1(カズワン)」沈没事故で、運輸安全委員会の意見聴取会は26日午後も東京都内で続き、2人が非公開で公述した。安全委によると、2人のうち1人は被害者家族で「人が止めることができた事故で人災。会社に運航が許可されるべきではなかった」と述べた。もう1人は学識経験者。
有識者や関係者5人から事故原因や再発防止策の見解を聞く手続きを経たことで、安全委の調査は最終局面を迎える。調査報告書の公表には一定の期間を要する見通し。
安全委によると、被害者家族は「経験の浅い船長に任せ、素人にも午後から荒れると分かる悪天候の中、連絡手段もなく出航した」と指摘。「なぜ船長は『やめます』と言えなかったのか。パワハラ的な環境ではなかったか調査してほしい」と訴えた。
また事故直前の日本小型船舶検査機構(JCI)の検査や国土交通省北海道運輸局の審査・監査について「しっかりと調査しなかったので、このような会社の運航を止められなかった」と批判した。