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共同通信
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浜田靖一防衛相は28日の閣議で、2023年版防衛白書を報告した。中国、ロシア両軍による日本周辺での共同活動に「重大な懸念」を表明。中ロや北朝鮮の軍備増強を巻頭で特集し「戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」と強調、自衛隊の体制強化や27年度までの5年で約43兆円に増やす防衛費に理解を求めた。昨年12月の国家安全保障戦略など安保関連3文書策定後、初の白書で、3文書の内容を詳述。情勢認識は3文書を踏襲しつつ、中ロ連携に警戒度を高めた。
中国に関しては、軍事力を急速に強化しているとして、国際秩序への「最大の戦略的な挑戦」と明記。昨年の「強い懸念」から表現を強めた。
台湾との軍事バランスが中国側に「急速に傾斜」していると警戒。昨年8月に台湾周辺で実施した大規模軍事演習が、侵攻作戦の一部を想定していた可能性を指摘した。
ロシアはウクライナ侵攻の長期化で通常戦力が大幅に減退したため「核戦力への依存を深めると考えられる」と分析。ウクライナが侵攻されたのは抑止力不足が原因とした。