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共同通信
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災害時に傷病者受け入れなどの緊急対応を担う「災害拠点病院」のうち、少なくとも29%の221施設が、国などが示す河川による「洪水浸水想定区域」にあることが30日、厚生労働省研究班の調査で分かった。災害拠点病院以外の病院も、28%の2044施設が区域内に立地することが判明。全ての病院の3割近くが浸水リスクにさらされている実態が浮かんだ。
災害拠点病院には、災害時の事業継続計画(BCP)作成が義務付けられている。厚労省によると、全ての災害拠点病院で作成済みだが、研究班で調査を担った東北大・災害科学国際研究所の佐々木宏之准教授は「近年増加傾向にある水害への対策が急務」と強調。災害時の病院機能継続には「リスクを総合的に把握し、備蓄や搬送先の確保などを具体的に備える必要がある」と指摘した。
22年8月末時点で、洪水浸水想定区域に立地する災害拠点病院は、鳥取県で全4施設が区域にあったほか、富山県が8施設中6施設(75%)、福井県が9施設中6施設(67%)、岐阜県が12施設中8施設(67%)だった。