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共同通信
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中国でスパイ行為の範囲を拡大して取り締まる改正反スパイ法が施行されてから8月1日で1カ月。日系企業は不安を抱えながら、中国当局による拘束を回避するためのマニュアルを作成し、中国政府関係者と面会する際に記録を残すようにするなど自衛策に乗り出している。
改正法施行を前にした6月下旬ごろ、日本の大手企業や経済団体の関係者ら日中経済交流を支えたベテラン駐在員が相次いで帰国した。関係者によると、米企業でも過去に情報機関などでの勤務経験がある中国駐在員らが次々と離任した。中国当局による拘束を懸念した動きだという。
中国側の公務員や国営企業の関係者と面会すれば、情報漏えいが疑われる恐れがある。ある日本企業のマニュアルは、中国の政府関係者らと面談する際には中国側の協力機関を探し、場所を提供してもらうと規定。可能な限り面談の記録を残して、疑われた場合にしっかりと反論できるようにするとした。
中国商務省は、7月21日の改正反スパイ法の説明会で「政策の透明性と予見可能性を向上させることに注力する」と強調した。