警報行き渡らず被害拡大か

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共同通信
米ハワイ・マウイ島で発生した山火事で焼けたラハイナの街=9日(ロイター=共同)

 【ホノルル共同】米ハワイ・マウイ島の山火事で、ハワイ州当局者は、8日の火災発生時に警報サイレンが作動した形跡がないことを明らかにした。AP通信が11日までに伝えた。地元住民からは危険を知らせる通知が一切届かなかったとの証言も出ており、停電や通信障害もあって情報が行き渡らず、被害拡大につながった可能性がある。

 マウイ郡当局によると、死者は55人に上っている。島西部の観光地ラハイナが壊滅的被害を受けており、グリーン知事は、復興には数十億ドル(数千億円)規模を要するとの見方を示した。

 ハワイ州緊急事態管理局の報道官は、地元当局が携帯電話やテレビ、ラジオを通じ緊急警報を発したと説明。一方、被災した住民らは、サイレンは聞こえず、避難準備を促す通知も届かなかったと証言した。燃え盛る炎を実際に見たり、爆発音を聞いたりしてようやく事態を察知したという。

 米メディアによると、ラハイナでは1901年に建てられ、ハワイで最も古くから営業を続けている歴史あるホテル「ベストウェスタン・パイオニアイン」も焼失した。宿泊客や従業員は避難して無事だった。