ラハイナ、白と黒の灰と化す

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共同通信
山火事で壊滅的な被害を受けた米ハワイ・マウイ島西部ラハイナの街並み=16日(共同)

 【ラハイナ(マウイ島)共同】青々としたハワイの海に面した観光地は、一帯が白と黒の灰と化し、焦げた臭いが鼻を突く。全焼した家のそばには水道ホースが放置され、住民が火災と懸命に闘った痕跡が生々しい。米ハワイ・マウイ島で起きた山火事で壊滅的な被害を受けた島西部ラハイナに16日、共同通信の記者が入った。

 行方不明者の捜索や復旧作業を優先するため、ラハイナに通じる道路は全て封鎖されていたが、16日朝から一般通行が一部で再開。ラハイナに近づくにつれ、全焼した車が道路に乗り捨てられている様子が目に入ってきた。「思い出ばかりが頭を占めてしまう」。いとこが行方不明という住民が嘆いた。

 被害が激しい市街地に入ると、焦げた臭いがさらに強くなった。日本人にも人気の観光地だった面影はなく、塀や柱だけとなった住宅が多い。辛うじて全焼を免れた地区には一部の住民が戻り、火災で損傷した屋根を修理したり、水や食料などの支援物資を分け合ったりしていた。