越境米兵の意思検証できず

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共同通信

 【ワシントン共同】米国務省のパテル副報道官は16日の記者会見で、韓国から北朝鮮に入ったトラビス・キング陸軍2等兵が、米軍内での人種差別を理由に越境したと説明していると北朝鮮国営の朝鮮中央通信が報じたことについて、キング2等兵の意思は「検証できていない」と述べた。北朝鮮と対話を試みているが、返信がないと明らかにした。

 キング2等兵が7月18日に、韓国と北朝鮮の軍事境界線がある板門店の共同警備区域(JSA)を見学中に北朝鮮側に入ってから間もなく1カ月。パテル氏は「キング2等兵を帰国させるために、あらゆる手段で取り組んでいる」と強調した。北朝鮮と国交があり米朝交渉の仲介役を務めたこともあるスウェーデンと連携し「2等兵の安全や健康状態を確認しようとしている」と説明した。

 キング2等兵は韓国で暴行事件を起こし、米国に移送されて懲戒処分を受ける予定だった。