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共同通信
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8月後半に入っても、各地で厳しい暑さが続く。海水浴を楽しむ人も多いが、気を付けなければならないのが、沖に向かう急な流れ「離岸流」だ。どこでも起きる可能性があり、逆らって泳ごうとすると体力を消耗し、溺れるリスクが高まる。専門家は「巻き込まれても焦らず、まずは浮いて呼吸の確保を」と呼びかける。
津市の海岸で7月、中学3年の男子生徒(14)が溺れ、亡くなる事故があった。生徒は友人2人と沖へ向かって泳いでいた。「流されて行く感じがした」。三重県警によると、岸に戻った友人はそう話したという。生徒は海岸から100メートル先の海中で見つかった。
四日市海上保安部は「離岸流に巻き込まれた可能性がある」とみる。離岸流はどこでも発生する可能性があるが、人工の構造物付近や海岸線が内側にへこんでいる場所は起きやすいという。生徒らが泳いでいたのは防波堤の近くだった。
水難学会の安倍淳理事は、離岸流に流されたら「浮いて待て」が基本と強調する。パニックにならずに呼吸を確保し、助けを呼ぶことが重要だと指摘。その上で岸と平行に泳いで離岸流から抜け出し、沖への流れを感じなくなったら岸に向かって泳ぎ始めることを勧める。