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共同通信
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【北京共同】中国外務省の汪文斌副報道局長は21日の記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水を巡り「海洋放出以外の選択肢を議論し、責任あるやり方で福島核汚染水を処置するべきだ」と求めた。大気への水蒸気放出を検討するようロシアと共同で日本に求めた対応を念頭に置いているとみられる。
日本政府は21日までに、大気への放出について「拡散の予測が困難であり、放射性物質のモニタリングに課題がある」と中ロに伝えた。外交筋が明らかにした。
汪氏は海洋放出に関し「経済的コストを考慮して選択した計画であり、隣国や世界に不必要なリスクをもたらす」と改めて批判。「日本は国際社会の正当で合理的な懸念を直視し、周辺国をはじめ利害関係者と十分に意思疎通を図るべきだ」とも指摘した。
さらに、処理水放出に関し「風評被害が起きる」と懸念する声が計88.1%に上った共同通信の電話世論調査に触れ「日本政府のつじつまの合わないやり方は、国民の信頼を失っている」とも語った。