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共同通信
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東京電力福島第1原発の処理水海洋放出から一夜明けた25日、環境省が周辺海域で放射性物質トリチウムの濃度を調べるための海水採取を始めた。東電も放出後に採取した海水の分析に着手。東電の結果は同日夕にも判明する。中国は日本の水産物輸入を全面停止し、香港政府も福島や東京など10都県の水産物輸入を禁止した。海域での濃度データは、日本の水産物輸出先の4割を占める中国、香港への説得材料や、風評被害の拡大防止で重要になる。
環境省によると午前7時ごろ、福島県内の港から採取作業をする船4隻が出航した。半径50キロ程度の海域内11カ所でそれぞれ2リットルの海水を採取。分析結果は27日にも発表する。3カ月間をめどに毎週公表する方針。
東電は放出開始から1カ月程度、原発から半径3キロ圏内の10カ所で毎日採取し、翌日に結果を公表する。
福島県や原子力規制委員会も監視。観測頻度はばらつきがあるが、宮城県から茨城県にかけての計100カ所以上にある観測網でトリチウムの動きを追う。