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共同通信
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最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は、2019年に名古屋市北区の路上で男性2人を刺殺したとして殺人と銃刀法違反の罪に問われた無職佐藤俊彦被告(42)側の上告を棄却する決定をした。24日付。懲役30年とした一、二審判決が確定する。
判決によると、19年6月24日夜、自宅から持ち出したサバイバルナイフで会社員小笠原智之さん=当時(44)=の胸と、同僚の赤松英司さん=同(41)=の背中などを刺して殺害した。被告には精神障害があり、当時は昼夜を問わず自宅に設置した防犯カメラの映像を見て過ごし2人がカメラに向かって手を振りトラブルになった。
弁護側は被告が心神喪失か心神耗弱状態だったとして無罪や刑の減軽を主張したが、昨年10月の一審名古屋地裁判決は完全責任能力を認定。「非常に危険で残虐な犯行。被害者らの無念さや苦しみの大きさは筆舌に尽くしがたい」と指摘した。
検察側の無期懲役の求刑に対しては、精神障害の影響が一定程度認められる点などの事情を挙げ有期刑を言い渡した。今年2月の名古屋高裁判決も支持した。