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共同通信
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【カブール共同】アフガニスタン中部の世界遺産バーミヤン遺跡を望む地区にガソリンスタンド(GS)が建設されていることが28日、分かった。共同通信が確認した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は遺跡群とともに周辺を「文化的景観」として世界遺産に登録しており、専門家は「開発が進み文化的景観が損なわれる」と懸念を表明した。
GSは、6世紀ごろの建立とされる世界最大級の東西大仏のうち西大仏(高さ約55メートル)から約1キロの地点に建設中。数年前までポプラ林と農地だったが、更地とされた後、石炭や材木の集積場として使用されていた。
2021年8月にイスラム主義組織タリバンが政権を掌握する以前は、アフガン政府が文化的景観を成す緑地地区として保護対象とし、10年には農地以外への転用を禁じる大統領令も出された。
現在のタリバン暫定政権の情報・文化省でバーミヤンを管轄する責任者は「GSの場所は保護対象外」とし、農業省担当者も、かつては保護地区だったが「現在は対象外」との見解を示す。