Published by
共同通信
共同通信
関東大震災の後、帝都復興院総裁として首都復興に尽力した後藤新平(1857~1929年)の出身地、岩手県奥州市の後藤新平記念館で震災100年企画展が開かれている。「復旧にとどまらず復興を企画すべし」と書いた文書や、当時の心情をつづった直筆メモが展示され、専門家は「後藤の先見性や苦悩が分かる貴重な資料」と話している。10月29日まで。
後藤は南満州鉄道総裁や東京市長を歴任。1923年9月の震災直後に発足した山本権兵衛内閣では内相兼帝都復興院総裁を務めた。壊滅状態の東京を元の姿に戻すだけでなく、広い道路や耐震耐火性のある橋などのインフラ施設、多くの住民の避難場所となる学校や公園の整備を盛り込んだ復興計画を主導した。
記念館の中村淑子学芸調査員は「メモを見ることで、後藤の頭の中をのぞいているような感覚になれる。現在の東京の礎を築いた後藤の先見性を感じてほしい」と話している。
後藤新平記念館は午前9時~午後4時半開館。休館日は毎週月曜(休日の場合翌日)。入館料は大学生以上200円、高校生以下無料。