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共同通信
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富士山の登山に臨む90歳の冒険家三浦雄一郎さんが最終日の31日、静岡県側富士宮ルートの9合目山小屋を出発する。午前中に山頂到達の見通し。不自由な脚をカバーする山岳用車いすを家族や仲間らがサポート。前日には名誉校長を務めるクラーク記念国際高登山部の生徒らも合流し、新たな足跡を刻む瞬間に期待を寄せた。
富士山には例年多くの登山客が訪れるが、90歳以上の山頂到達は少ない。三浦さんは87歳だった2020年6月に「特発性頸髄硬膜外血腫」を発症し、約8カ月にわたり入院。首の神経が圧迫され手足にまひが生じる病気で、リハビリの目標として富士登山を志した。
現在も体を動かすと脚のしびれが強まり、3日間の行程では山岳用車いすに乗って仲間にロープで引っ張り上げられる時間帯が多くを占めた。
三浦さんは29日に次男の豪太さんらと共に5合目を出発。7合目と9合目の山小屋でそれぞれ1泊し、時間をかけて進んだ。
日本記録認定協会によると、富士山の最高齢登頂は1988年に五十嵐貞一さん(故人)が101歳10カ月で達成した。