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共同通信
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関東大震災による被害の歴史を伝える東京都や横浜市内の施設には、追悼や防災訓練のために人々が訪れ、発生100年の節目に「悲劇を繰り返さない」と、防災や減災への決意を新たにしていた。
震災当時、旧陸軍被服廠跡の空き地だった東京都立横網町公園(墨田区)。避難者が炎の竜巻「火災旋風」に巻き込まれ約3万8千人が犠牲となった。この日は強い日差しの中、高齢者や子ども連れの家族らが朝から足を運び、敷地内の東京都慰霊堂に手を合わせた。
夫婦で訪れた豊島区の無職小林英雄さん(87)は、亡き父が20歳の時、片耳が焼け、背中にやけどを負う大けがをした。「『火が走る、追いかけてくる』と話していた。節目なので久しぶりにお参りに来た」と花を手向けた。
午前5時からは地元消防団の訓練と慰霊祭があった。箕輪善康団長(69)は「大きな地震に備えて訓練を続けている。地元の人、消防団の協力が必要だ」と強調した。