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共同通信
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中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題で、損害保険ジャパンがビッグモーターの修理作業に問題があると把握した後も「優良工場」とみなしていたことが31日、分かった。事故車両の損害度合いを査定する際の手続きを一部省く「簡易調査」と呼ばれる措置を続け、不正を助長した可能性がある。
金融庁は9月に損保ジャパンに立ち入り検査する方向で検討している。損保ジャパンが有力な保険代理店であるビッグモーターとの関係や自社の利益を優先していたかどうかが焦点だ。契約者保護に不備があれば、業務改善命令などの処分を視野に入れる。
簡易調査は、工場から送られた車両の写真や修理費の見積もりをチェックする際、「アジャスター」と呼ばれる専門職だけでなく、一般社員が対応するのを認める制度。対象工場はアジャスターが現地確認する頻度も少なくなる傾向にある。
複数の関係者によると、損保ジャパンは19年ごろ簡易調査をビッグモーターの全工場に導入。「完全査定レスによる一層の効率化を実現する」と説明していた。