緊急水産支援に200億円

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共同通信
霞が関の官庁街(右奥は国会議事堂)=東京都千代田区

 日本産水産物の輸入を中国が全面停止したことを受けた水産事業者への支援策に、政府が200億円程度を充てる方向で調整していることが2日、分かった。国内の水産物加工処理の強化に向けた機器導入や新たな輸出先の開拓などを盛り込んだ支援策を取りまとめ、近く公表する予定だ。中国市場依存の脱却に向けた緊急支援を打ち出す。

 岸田文雄首相は8月31日、支援策として(1)国内消費拡大・生産持続対策(2)風評影響に対する内外での対応(3)輸出先の転換対策(4)国内加工体制の強化対策(5)迅速かつ丁寧な賠償―の5本柱からなる政策パッケージの取りまとめを関係閣僚に指示している。

 政府は水産物の保管経費などを支援する風評被害対策300億円、漁業継続支援500億円の計800億円の基金を既に設置している。中国の全面停止への対策として、今回新たに200億円程度の支援策を追加し、政府は予備費を活用する方向だ。

 中国に代わる米国や東南アジアなど輸出先の開拓や、輸出が止まった養殖の水産物の出荷調整を後押しする。