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共同通信
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関東大震災直後に千葉県福田村(現野田市)で香川県の被差別部落出身の行商団が殺された「福田村事件」をテーマに、奈良県御所市で3日、公開講座が開かれた。講師の喜岡淳・前香川人権研究所理事長は「都合の悪い事実が隠されてきた事件だ」と解説。被害者側には今もなお、偏見を恐れて語れない思いがあるとして「被害者の視点で再考して」と呼びかけた。
事件は1923年9月6日に発生。「朝鮮人が暴動を起こす」とのデマが流れる中、香川県から訪れた薬行商団15人が自警団に朝鮮人と決めつけられ、幼児を含む9人が殺害された。被差別部落への偏見により被害者が声を上げられず、歴史に埋もれてきたとされる。