Published by
共同通信
共同通信
大麻の有害物質の構造を一部変え「脱法」状態にした成分を含む製品が販売され、摂取した4府県9人に健康被害が出ていることが3日、厚生労働省への取材で分かった。大麻より強い毒性を持った製品も確認されるなど影響は深刻。被害が膨らむ可能性が高いとして、同省はこの成分を危険ドラッグに加えるとともに、健康被害と販売店の実態調査に乗り出した。政府は今月下旬にも対策会議を開いて対応を本格化させる方針。
厚労省によると、この製品は「合法大麻」とうたうなどして販売。3~6月に10~30代の神奈川、大阪など4府県の男女9人に意識障害やけいれんといった症状が出て、うち8人が救急搬送された。
法律で規制されている大麻の有害成分テトラヒドロカンナビノール(THC)は葉や花に含まれ、摂取すると脳に作用し幻覚を引き起こす。
健康被害が確認されている成分は、THCの化学構造を一部改変することで、法規制の対象外となる。厚労省はこの成分を「THCアナログ」と呼んでおり、動物実験などで、THCと同等かそれ以上の危険性を確認した。