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共同通信
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【ワシントン共同】米財務省は3日までに、労働組合の活動によって組合員の賃金が10~15%押し上げられるとの調査報告書をまとめた。非組合員へも波及効果があり、中間層を中心とした経済成長や企業の生産性向上にもつながると分析。経済格差の是正に向けて、労働者の組織化による処遇改善や職場環境の是正を促した。
先進各国で労組の組織率が低迷する中、報告書は労組の役割について一石を投じそうだ。米国では近年、コーヒーチェーン大手スターバックスなどで新規の組合をつくる動きが活発化。日本では百貨店そごう・西武の売却を巡り、反発する労組がストライキを実施した。
米財務省の報告書は「中間層の労働者は組織化によって大きな利益を得る」と指摘。賃上げのほか、退職金や医療手当などの増額、柔軟なスケジュール設定といった労働条件の改善につながると分析した。
労組を支持母体とするバイデン米政権は労組の加入促進や最低賃金の引き上げといった政策を推進しており、報告書もその一環だ。