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共同通信
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岸田文雄首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で和歌山地検は6日、殺人未遂や爆発物取締罰則違反などの罪で無職木村隆二容疑者(24)を起訴した。約3カ月間の鑑定留置で事件当時の精神状況を調べた結果、刑事責任を問えると判断した。木村被告は一貫して黙秘しており、焦点となる動機解明の舞台は法廷に移る。
和歌山県警などによると、4月15日午前11時25分ごろ、和歌山市の雑賀崎漁港で、衆院和歌山1区補欠選挙の応援に訪れていた首相らを殺害する目的で手製のパイプ爆弾を演説会場に投げて爆発させ、近くにいた警察官と聴衆に軽傷を負わせるなどした疑い。首相にけがはなかった。
他にも公選法違反と銃刀法違反、火薬類取締法違反の罪で起訴された。
捜査関係者によると、木村被告がパイプ爆弾の製造のために火薬を購入した時期は昨年11月で、被告が被選挙権を巡り国を提訴した訴訟が一審判決で棄却された時期と近接。選挙制度への不満が事件につながった可能性もあるとみて慎重に調べていた。