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共同通信
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全国の児童相談所が2022年度に児童虐待の相談を受けて対応した件数が速報値で21万9170件(前年度比5.5%増)に上り、1990年度の統計開始以来、32年連続で増加したことが7日、こども家庭庁のまとめで分かった。暴言や態度などで心を傷つける心理的虐待が全体の6割近くを占めた。
虐待相談対応件数は90年度以降、千件台が続いていたが、99年度に1万件を超え、増加幅を大きくしながら2015年度に10万件を、20年度に20万件を上回った。こども庁担当者は「虐待リスクを妊娠段階から把握し支援できるよう、児相や自治体とともに施策を進めたい」としている。
22年度の虐待相談の内容別件数は、心理的虐待が12万9484件(59.1%)で最多。次いで身体的虐待5万1679件(23.6%)、ネグレクト(育児放棄)3万5556件(16.2%)、性的虐待2451件(1.1%)の順だった。
心理的虐待では、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV」の増加が目立つという。