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共同通信
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長崎県佐世保市は9日、旧日本海軍が約100年前に建設し、真珠湾への攻撃を命じる暗号電文「ニイタカヤマノボレ1208」を中継したとされる「旧佐世保無線電信所(針尾送信所)」で、高さ約136メートルの無線塔の基礎部分を一般に特別公開した。10日まで。
市教育委員会によると、基礎部分の一般公開は1922年の建設以来初めて。当時の図面は残っておらず、長期保存に向けて耐震性や劣化状態を調べるため、市が8月から、3本ある無線塔のうち1本の根元付近を掘削していた。
調査では、塔を支える地中の基礎は鉄筋コンクリート製で、おわんを伏せたような形状をし、深さが約6メートルしかなく、その下に強度の高い岩盤があることが判明した。
市教委文化財課の松尾秀昭主査は「巨大な建造物にしてはきゃしゃな基礎で、硬い岩盤が一緒になって基礎の役割を果たす構造。100年前の人が計算してこのように設計したのは興味深い」と指摘した。調査の完了は2026年度の見通し。