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共同通信
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新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務め、政府に対策を助言してきた尾身茂氏ら専門家有志が14日、日本記者クラブで会見し、3年半の活動について「100年に1度といえる危機だった。感染症対策の経験を持つ人間が言うべきことを言わないと、歴史の審判に堪えられないと思った」と振り返った。
尾身氏はコロナ対策の成果として、欧米より死亡者数を低く抑えることができたと強調。その上で「新しい課題もあぶり出され、感染症が社会や経済全てを巻き込むことが分かった」とまとめた。
専門家有志はこれまで100以上の提言を政府に提出。尾身氏は専門家同士の意見をまとめる苦労を「それぞれの立場や意見が異なり一つの正解を見つけることが困難だった。科学的な根拠となるデータが不足していたことが、最も強いフラストレーションだった」と述べた。
現在の流行第9波については「全国的にまだピークに達していない」と言及。「感染はしばらく続くので、社会を回しながら高齢者の感染を防ぐバランスが必要」と訴えた。