日本、核なき世界促進へ30億円

09/19/2023

　【ニューヨーク共同】岸田文雄首相は19日午後（日本時間20日午前）、米ニューヨークで国連総会の一般討論演説に臨んだ。被爆地・広島選出の首相として「核兵器のない世界」に向けた現実的で実践的な取り組みを強化すると表明。核軍縮の議論促進を支援するため、海外の研究機関・シンクタンクに30億円を拠出すると明らかにする。国際社会が分断を深める中、人類が共有できる「人間の尊厳」に光を当てた国際協力を訴える。

　核軍縮を巡り「抑止か軍縮かの二項対立を乗り越える」と強調。5月のG7広島サミットで打ち出した「現実的なアプローチ」を国際的な議論の主流にするため、研究機関に資金を出し、議論の場となる「核兵器のない世界に向けたジャパン・チェア」を設置すると発表する。

　気候変動、感染症、法の支配への挑戦などにより「世界は複雑で複合的な課題に直面し、各国の協力がかつてなく重要になっている」と指摘。「人間の命、尊厳が最も重要との原点に立ち返るべきだ」と主張し「分断・対立ではなく協調に向けた世界を目指す」と唱える。