Published by
共同通信
共同通信
【パリ共同】欧州連合(EU)域内にアフリカや中東から移民・難民が殺到し、EUが対応に苦慮している。イタリア最南端ランペドゥーザ島には最近の数日間で島の人口より多い約8千人が到着。シリア情勢の悪化で100万人超が流入し社会混乱を招いた2015年の欧州難民危機の再来が現実味を帯びている。
「移民は欧州(全体)の課題であり、欧州が答えを出す必要のある問題だ」。EUのフォンデアライエン欧州委員長は17日、ランペドゥーザ島を訪問。EUに対応を要請したイタリアのメローニ首相に連帯を示した。
新型コロナウイルス禍が落ち着き、移民らの動きが再び活発化したことや、北アフリカのリビアやチュニジアの政情不安定化が要因に挙げられる。EUの欧州国境・沿岸警備隊(フロンテクス)によると、今年1~8月に不正にEU域内に入った人の数は前年同期比18%増で16年以降最多を記録。特に北アフリカからイタリアに入った人の数はほぼ倍増した。