虚偽記録で報酬不正受給か

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共同通信
2019年に「恵」の役員から社員(当時)に送られたLINEメッセージ。元社員によると、「店舗」はグループホームや施設を指し、自治体の実地指導に備えて人員基準を満たすよう書類の改ざんを指示されたという(画像の一部を加工しています)

 入居者からの食材費の過大徴収が明らかになった障害者向けグループホーム(GH)大手運営会社「恵」を巡り、複数の元社員が22日までに共同通信の取材に応じ、「実態とは違う虚偽のサービス提供記録を作り、組織ぐるみで障害福祉や医療の報酬を不正に受け取っていた」と証言した。役員や社員の間で交わされていたLINE(ライン)メッセージも確認した。

 行政側もこうした情報を把握しており、恵の中心的な事業エリアである愛知県や各自治体、厚生労働省は今後、事実関係を調べるとみられる。

 恵は22日、取材に対し「不正の事実はない。そうした話には悪意を感じる」と答えた。

 恵は東海・関東地方など12都県で主に知的、精神障害者向けのGHを約120カ所運営。ほかにも通所施設や訪問看護ステーション、障害児向けの放課後等デイサービスなどを手がけている。

 数年前まで愛知県内のGHに勤務していた元社員は「実際には配置していないスタッフの名前を実績記録に書き、人員基準を満たしたように装っていた」と証言した。

9月に「恵」の現役社員から元社員に届いたLINEメッセージ(画像の一部を加工しています)