海自2艦事故、方向転換が不十分

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共同通信
海自の掃海母艦「うらが」の右舷中央部。矢印は衝突事故による損傷部分(運輸安全委員会提供)

 運輸安全委員会は28日、2022年5月に神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地から出港しようとした護衛艦「じんつう」(2千トン)が掃海母艦「うらが」(5650トン)に衝突した事故の調査報告書を公表した。方向転換が不十分なまま、じんつうが狭い海域で前進後退を繰り返し、近くに停泊中のうらがに衝突したと指摘した。

 報告書によると、じんつうの艦長は短時間で出港しようと考え、うらがの近くまで後進してから、いったん停止せずに船の向きを変えようとした。その際、対岸にあった艦船との間の狭いエリアで前進後退を繰り返すうちに前進する勢いを止められず、衝突した。

 じんつうの艦長はこの岸壁からの出港は初めてだったが、上司の指導を受けずに出港計画を作成していた。

 事故は22年5月22日に発生。じんつうの船首部が、うらがの右舷中央部に衝突した。いずれの乗組員もけがはなかった。