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共同通信
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損害保険大手4社は29日、企業向け保険のカルテル疑惑に関する調査報告書を金融庁に提出した。金融庁は問題の追及を本格化させた。100社を超える取引先で、保険料を事前に調整するといった行為が判明。寡占が進んで競争を回避する組織風土が根付き、法令順守意識の希薄さも浮き彫りとなった。各社トップが経営責任の明確化を求められるのは不可避の情勢だ。
4社は東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。企業向け保険のシェアは計9割を占める。
鈴木俊一金融担当相は閣議後記者会見で「保険契約者の保護の観点から問題が認められた場合には法令に基づいて厳正に対応する」と述べた。業務改善命令など行政処分を視野に入れて調べる。
保険料の調整や情報交換をした現場の担当者に加えて上司の関与なども調べ、組織として違法性を認識していたのかどうかを分析する。経営管理体制に不備がなかったかも見極める。