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共同通信
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【マレ共同】インド洋の島国モルディブで9月30日実施された大統領選の決選投票で、中国寄りの野党・人民国民会議(PNC)に所属する首都マレ市長のムイズ氏(45)が勝利した。親インド外交を進めた与党モルディブ民主党(MDP)の現職ソーリフ氏(61)を下した。親中国の新政権が誕生する。
モルディブは中東からアジアへの重要なシーレーン(海上交通路)に位置している。伝統的にインドとの軍事協力を深めてきたが、ムイズ新政権はインドへの過度な依存度を低減させ、中国との関係を重視する方針。中国からの支援によるインフラ整備が加速し、海洋進出を進める中国の影響力が高まる恐れがある。
ソーリフ氏は敗北を認め、ムイズ氏を祝福する声明を発表した。選挙管理委員会の暫定結果によると、ムイズ氏は有効票の約54%、ソーリフ氏は約46%を獲得した。ソーリフ氏は、盟友ナシード元大統領との関係が悪化し、与党分裂に至ったことが打撃となった。